KOHEI TAKAHASHI

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所蔵品を召喚する(京都市美術館の版画作品について)|Summon works in the collection(About the print work in Kyoto Municipal Museum of Art)

所蔵品を召喚する(京都市美術館の版画作品について)|Summon works in the collection(About the print work in Kyoto Municipal Museum of Art)
VIDEO[2:28:57],京都市美術館の版画部門コレクション年表|2016年制作
パフォーマンス:髙橋耕平、大八木夏生、澤田華、白石陸|撮影:澤田華|音声:髙橋耕平

本作は、京都市美術館に所蔵されている作品のうち、版画分野に分類されている全作品447点のサイズを再現した記録写真と、その作品情報を読み上げるタイトルコールの音声が組み合わされた、パフォーマンスの記録としての映像作品である。この映像作品は必ず、京都市美術館に所蔵され版画分野に分類されている全作品のタイトル、作者、制作年、購入年、購入/寄贈、が詳細に記された「作品購入・作品寄贈年表」とセットで展示される。映像と年表は1枚のパネルに背中合わせに展示され、展示空間に設置される。本作は「PAT in Kyoto 第2回京都版画トリエンナーレ2016」のために制作された作品であり、展覧会コンセプトである未来の版画のあり方、京都市美術館という場所、アーカイブされた作品の活用、主にこの三ついて応答・言及する作品である。本作品が扱うモチーフ:京都市美術館所蔵の版画作品は、歴史化され価値を与えられた存在である。私は未来の版画の在り方への応答として所蔵作品の対峙を試みた。但し夜間に美術館の外側にそれら作品を召喚するという魔術的なパフォーマンスの方法によって。このパフォーマンスの記録は所蔵品に対し批評的行為として行った。京都市美術館に限ることではないが、所蔵作品の幾つかは公開されることもなく収蔵庫に置かれたままのものがある。それらは大げさに言うと半死の状態である。映像では同じ人物が白紙を掲げるが、絵が剥奪された半死の状態の作品を、作者名・作品名・技法・サイズをタイトルコールすることによって呼び覚ましているのである。また本作はアーカイブ化された作品を活用した芸術作品であると同時に、体系化された作品の新な価値を提示する資料を同時に作るという行いでもある。

■作品情報についての引用元『京都市美術館蔵品目録』(1993年3月31日発行) 『京都市美術館蔵品目録 補遺版2003』(2003年11月13 日発行) 『京都市美術館蔵品目録 補遺版Ⅱ』(2015年4月30日発行) 発行は全て京都市美術館 ※この作品が制作・発表された2016年3月時点で、京都市美術館から公式に発表している版画分野に分類する所蔵作品は447点。但し購入についてまだ公式に作品情報が公開されていたないものについては含んでいない。

 

      

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