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鈴木崇との二人展「消息 – Presage -」と、加納俊輔との二人展「パズルと反芻-Puzzle and Rumination」(東京会場)で発表された写真作品。
基本的にあらゆる被写体を対象にするが、フレーム内の明度情報が一部露出過多により欠落(完全にな白の状態=デジタルデータ上で真白の状態)している写真と、被写体を全体にフォーカスを当てる事、フレーミング意識的に操作する事で画面全体が平面的且つ抽象的に現れる写真の二つのがある。ともに最低限の色調整やパース調整などは行うが、画像編集ソフトによる合成作業やデジタルエフェクトは行わない。
個別カットごとに、または展示ごとに具体的なテーマを設ける訳ではないが、我々が日々向き合う事物をカメラによって“どのように捉えることが可能か”という興味から制作を始めている。眼前の光景を一旦フレームにおさめること、デジタルデータに置き換えること、静止画として印刷すること。1カットずつは言わばドキュメントの実践でありトレーニングであると言えるが、最終的にはそれらを一定の空間に配置することで、動画作品のシークエンスのように時間軸を持った、イメージ同士の意味的・図像的関連性を持った“イメージの群”を作り出し、それによってドキュメントの可能性について考えるのがこの制作の主な目的である。